遮熱塗料による住宅の全面塗装は、暑さや寒さへの対策になり、そこから節電につながることも期待できることから、かなり魅力を感じるが、遮熱塗料の塗装前と塗装後を比較したり、1年365日のあらゆる気象条件で遮熱塗料のアドバンテージを、遮熱塗料の塗装を自宅に施工せずに体感することは一般消費者にはなかなか難しいことのように思う。
遮熱塗料は遮熱効果が汚れに弱いという弱点もあるようで、遮熱効果を維持するために家の大規模な外壁の掃除をすると言うのもかなり大変で、水道や電気のエネルギー面、大掛かりな洗浄器具など、設備面でもかなりのものを要し、業者による洗浄を依頼までしてしまうと遮熱塗料の遮熱によって節約できた電気代などは完全に上回ってしまう恐れがあるが、最新の遮熱塗料は光触媒による自己洗浄機能を持っているものがあり、その弱点は解消していると言える。
ハイブリッド自動車のトヨタ・プリウスは遮熱タイプのボディカラー・サーモテクトライムグリーンという色を設定している。5℃の低減を目標に設定して塗料開発を始めたそうで、実際に旧来の塗装と比較実験したところ太陽光に2時間さらした場合の外販の温度は55度から50度への低下が実現できたそうだ。現在はプリウス1車種のライムグリーン系の色にしか遮熱塗料仕様は設定されていないが、車の中は夏場など家以上にに暑くなり、暑さからくる熱中症の事故なども聞かれるので、遮熱塗料の自動車への普及も強く期待したい。また、ここからも遮熱塗料の認知度・住宅への普及度も高まっていくのではという期待もある。